相続手続きの流れ
相続は、被相続人(今回死亡された人)の死亡時から開始されます。その手続きの流れは、以下のようになっています。
まずはどうしたらいいの?
人が亡くなられたわけですから、まずはお葬式などをするわけですが、ここでは「相続の手続き」において、最初に何をするのか、そして手続きの進め方をご説明します。
0.遺言書があるかどうか確認する
遺言書がある場合とない場合では、相続手続きの進め方が異なります。
遺言書がある場合の流れは、「遺言書があると、相続の手続きはどうなる?」をご覧下さい。
以下は、「遺言書のない場合」の手続きの流れです。
1.被相続人の戸籍を取得する
まず最初にするのは、「被相続人(故人)の死亡時から出生まで遡る戸籍を取得する」ことです。
なぜそんなことをするのかというと、「相続人の特定」をするためです。わかりずらいので、例えを出しましょう。
例えば亡くなったお父さんの戸籍を遡っていくと、そこには妻と結婚したことや、子供が生まれたことなどが記載されています。これにより、被相続人の妻と子供は確実に相続人になれることがわかります。しかし、亡くなったお父さんが若いころに離婚をしていて、離婚した前妻との間にも子供がいた場合、その前妻の子も相続人に入ってきます。
「うちはお父さんとお母さんと、子供は私しかいないはず」と思っていても、実は前妻との間にも子供がいた・・・となると、その子供も相続人になるため、戸籍をよく調べる必要があるのです。
この他にも様々なケースが考えられますが、「戸籍を集めるのは相続人を特定するため」なのです。
詳しくは、「私は相続人になれる?相続人の特定について」をご覧ください。
2.相続財産の調査をする
被相続人の戸籍を調べて、相続人が特定できたら、故人の名義の財産を調べます。家や土地、預金や車などのプラスの財産と、借金などのマイナスの財産がどれだけあるかをよく調べます。
財産として何があるかがはっきりしたら、家や土地、車などは、「お金に換算したらいくらになるか」を調べます(現金や預金はすぐに換算できますね)。
各財産をお金に換算する方法としては、
「土地の場合」
1.時価はいくらなのかを、不動産屋に聞いてみる。
2.役所で固定資産評価証明書を取り、固定資産評価額を見る。
3.路線価を税務署で調べる。
「建物の場合」
1.時価はいくらなのかを、不動産屋に聞いてみる。
2.役所で固定資産評価証明書を取り、固定資産評価額を見る。
「株式などの証券の場合」
1.上場株式は、4種類の評価方法から1つを用いる。
2.非上場株式は、類似業種比準方式や純資産価額方式で計算。
「車やバイクの評価」
時価はいくらなのかを、中古の自動車販売店などに聞いてみる。
どの財産がいくらで評価されたかを、「財産目録」として書面にしておきます。
「相続できるもの、できないもの・相続財産の種類について」もご覧下さい。
3.相続人全員で、遺産分割協議をする
相続人が確定し、財産目録もできたら、次に相続人全員で「遺産分割協議」をします。「遺産分割協議」とは、故人が残した財産を相続人間でどう分けるのか、その話し合いのことです。
相続人全員が集まって、話し合いの場を持つことが望ましいのですが、遠方に住んでいるとか、病気のため話し合いの場へ出向くことができない、という場合は、郵送や電話によるやり取りでも分割協議に参加することができます。
話し合いで、「誰が何を相続するか」が決まったら、「遺産分割協議書」に話し合いの内容をまとめておきます。遺産分割協議書には、相続人全員が、実印を押して印鑑証明書を添付しておきます。
詳しくは、「遺産分割協議とは?」、「遺産分割協議書作成のポイント」をご覧ください。
4.不動産や預貯金の名義変更をする
遺産分割協議書が完成したら、不動産や預貯金の名義を各相続人の名義に変更します。
不動産は法務局へ行き、登記簿を相続する人の名義に書き換えます。相続による登記の場合、遺産分割協議書が必要になります。
預貯金は銀行等の金融機関に行き、故人の口座名義を相続する人の名義に変更します。金融機関によって必要書類は異なりますが、遺産分割協議書が必要になることが多いです。
自動車は陸運局へ行き、故人の名義を相続人の名義に変更します。
ここでも遺産分割協議書を用意しておくと、必要書類の記入がスムーズにいきます。
他に、ローンがあるならローンの名義変更、保険の名義変更なども必要になります。
遺言書がない場合の相続の手続きの流れは、以上のような感じです。
もし遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容に従って遺産分けをすることになります(例外あり)。
遺言書がある場合の流れは、「遺言書があると、相続の手続きはどうなる?」をご覧下さい。
相続の手続きで疑問に思うこと、不安に思うことなどありましたら、お気軽にご相談ください。メール相談、電話相談とも、初回は無料です。
無料相談はこちらから