相続財産の種類について
故人の残した財産のうち、どのようなものが相続できるのでしょうか?
相続される財産の例としては、以下のようなものがあります。
プラスの財産 | マイナスの財産 |
不動産(土地・建物) | 借金 |
現金・預金・小切手 | 買掛金 |
株式・社債・貸付信託・証券投資信託 | 未払金 |
家具・自動車 | 税金 |
貴金属・ゴルフ会員権・書画骨董品 | |
貸付金・売掛金 | |
電話加入権・著作権 |
相続されない財産としては、以下のようなものがあります。
使用貸借上の借主の地位 (タダで物を借りている立場) |
雇用契約上の地位 (その会社で働く権利) |
委任契約上の地位 | 扶養請求権 |
恩給受給権 | 資格など |
次に、相続できるのかどうかがよく問題になる財産があります。
1.生命保険金
生命保険金は、相続財産には含まないのが原則です。
例えば、夫が死亡して、生命保険金の受取人が妻になっていた場合、この保険金請求権は妻にのみ帰属し、他の相続人には帰属しません。
つまり、相続人全員で分けないということです。
しかし例外もあり、生命保険金が相続財産となる場合もあります。
被相続人(故人)が、自分自身を被保険者及び受取人と指定した場合には、相続人は故人の保険金請求権を取得したことになるので、保険金は相続されます。
2.死亡退職金
最高裁の判例では、死亡退職の場合、遺族が故人の有していた会社に対する退職金請求権を直接取得するものであって、相続財産には含まれない、としています。
3.借家権・借地権
借家権と借地権は、財産権とみなされ相続の対象になります。
また、借地権の譲渡の場合は地主の承諾が必要で、名義書換料などを地主に支払うことがありますが、相続は第三者への譲渡ではないので、地主の承諾は不要で、名義書換料なども払う必要はありません。「借家権の名義を、故人の名義から相続人の名義へ書き換えるから、書換料を払え」と言われても、払う必要はありません。
4.故人が持っていた慰謝料の請求権
判例では、被害者(故人)が機会を与えられれば慰謝料を請求していたであろうと認められる場合には、故人の慰謝料請求権も相続されるとしています。